数年前のことですが、2014年11月30日(日)、高安動脈炎の患者会である大動脈炎症候群友の会「あけぼの会」主催の医療講演会(於:品川健康センター)に参加しました。
テーマは『高安病の診断・治療・予後』がテーマ。『話を聞かない医師 思いが言えない患者』の著者でもある磯部光章先生(当時は東京医科歯科大学大学院循環器内科教授、現在は榊原記念病院院長)が講師としてご登壇され、貴重なお話を聞くことができました。たとえば、個人的には、HLA-B52が陽性の場合の予後のことや、免疫抑制剤の併用に関する症例などの先生のお考えを聞けて、不安が多少解消されました。
HLA-B52が陽性の人は高安動脈炎にかかりやすい体質?
2013年に、高安動脈炎(大動脈炎症候群)と診断され大学病院に入院したときに、抗体検査を受けました(ちなみに、検査費用は、研究目的のため大学病院もちでした)。結果、HLA-B52が陽性でした。
一説にはHLA-B52が陽性の場合、重症説やステロイド薬の効きが悪いといった説があります。この点に関して磯部先生に質問したところ、現時点では「よくわからない」というのがホントのところのようです。「患者さんはあまり気にしなくてよい」とおっしゃっていました。
健常者に比べて高安病患者は、約3倍くらいの割合でこの抗体を持っているようです。高安病患者88人中50人が持っている(約57%)というデータもあるそうです(東京医科歯科大病院)。
「陽性」だと聞いたときには、私自身もひどく落ち込んでしまいましたが(っていうか、患者のホンネとしては、“血”を抜かれたときには、勝手に人の血をとって、余計なことを調べるなよ、“チっ”と思った……苦笑)、わからないことを悩んでも仕方がないので、研究は研究者にお任せして、ドクターのいうとおり、あまり気にしないように努めるのがよさそうです。
交流会編
また、その後の交流会では、あけぼの会の顧問である桝田 出先生(武田病院健診センター所長)や吉藤元先生(京都大学医学部附属病院 免疫・膠原病内科 助教)も加わって、質疑応答形式でお話を伺うことができました。同時に、同病者の方々の生の声を聞き、“知ること”によって、安心を得られたことが私にとって大きな収穫となりました。
最後に、磯部先生の言葉を引用・アレンジさせていただきますと、
お嬢様
「疾患を持って生きる“健常人”」
であることをお忘れなきよう。
(←執事役の嵐の櫻井翔くん風)
今後も、高安動脈炎や膠原病の講演会などのイベントがあれば、積極的に参加していきたいと思います。
磯部光章(著)『話を聞かない医師 思いが言えない患者』(集英社新書)