妊娠・出産したSLE(膠原病)の女性らとの入院中の出会い

入院中、病棟内のロビーで患者同士、雑談をすることがしばしばあった。

ある日の雑談にて、私が「息子がまだ3歳と幼いので、入院中、それがいちばん気がかりなんです」と言うと、50代のある女性はこんな風に言っていた。

50代の女性(膠原病)

「親がいなくても子は育つものよ~。それより、うちは親の介護が大変でね……」と話は続いた。

その人は、大学生と高校生の2人の息子をもつ母親で、入院は4回目だとか。
彼女の子どもは、母親の入院に慣れたもので、家事に協力的。とても素直に育っている、と育児のベテランである彼女はおおらかな笑顔で語っていた。

出産して間もない20代の女性

同室の隣のベッドには、出産して間もない20代の女性もいた。彼女は消化器系に炎症を起こしているので、口から食べ物を食べられない。「点滴がごはんなんです…」と苦笑いしていた。でも、生まれたばかりの赤ちゃんにおっぱいをあげなくてはならないので、慣れないながら懸命に母乳を絞っているという。私よりもひとまわり歳下だったが、難病をかかえながらも母親になった覚悟と強さがにじみ出ていた。

20代後半の女性(SLE)

ほかにも、SLE(全身性エリテマトーデス)患者の20代後半の女性と親しくなった。彼女は独身で、一人暮らし。週に一度、高齢の母親にわざわざ地方から出てきてもらっているのが申し訳ないという。腎臓疾患があるので、「妊娠はムリかな…」と寂しそうに語っていた。お付き合いしているパートナーとその後どうなったか? まだ仕事を続けているだろうか? また、話がしたいと思える人だった。

みんな、それぞれ事情を抱えている

人それぞれ自分の生活があり、生き方がある。自分の病気のみならず、育児、介護など、いろんな背景や事情をかかえながら生きている。

難病をかかえながらの育児はもちろん大変だ。でも、つらいのは自分だけではないのだ。誰しも悩みをかかえている。病気のあるなしに関わらず、人生には課題が山積みなのだ。

たとえ、目の前にハードルがあったとしても、前を向いて、進もう。一歩進んで、二歩さがったとしても、いつの日か、壁を乗り越えているはずさ。

膠原病関連の本

第67回野間文芸賞受賞作。
笙野頼子 (著) 『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』

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