【膠原病】医療講演会「外来でもらう検査値表はどうみるの?」に参加した感想(2017年6月)

去る2017年6月10日(土)、全国膠原病友の会 東京支部主催の「医療講演会・医療相談会」に参加しました。

会場は、六本木にある東京ミッドタウンの会議室

この日の医療講演会のテーマは、「外来でもらう検査値表はどう見るの?」でした。

講師として、東京医科歯科大学 医学部附属病院
膠原病・リウマチ内科学の
上阪 等(こうさか ひとし) 教授がご登壇されました。

上阪先生が責任編集をされた研修医向けの本↓

講演会の内容としては、

  • 膠原病の検査の目的や、
  • そもそも膠原病とは何ぞや?、
  • 検査で出てくる自己抗体の話や、
  • 疾患別の検査値について、
  • 薬の副作用のチェック、などのお話がありました。

上阪先生の講演会(約1時間)のあとは、グループにわかれての医療相談会(約2時間)となりました。
各グループ10名前後×8グループのなかに、下記の先生方がお一人ずつ入って、参加者の質問に答えていくという形式でした。

  • 上阪 等 先生
    国立大学法人 東京医科歯科大学 医学部附属病院
    膠原病・リウマチ内科学 教授
  • 橋本 博史 先生
    順天堂大学 名誉教授
  • 針谷 正祥 先生
    東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター
    リウマチ性疾患薬剤疫学研究部門 特任教授
  • 川口 鎮司 先生
    東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター
    臨床教授
  • 南木 敏宏 先生
    東邦大学医療センター 大森病院
    リウマチ膠原病センター(膠原病科) 教授
  • 梁 広石 先生
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター
    高齢者総合診療科 科長
  • 阿部 香織 先生
    かおり内科クリニック 院長
  • 金子 祐子 先生
    慶應義塾大学病院
    リウマチ・膠原病内科 講師

そうそうたる顔ぶれですよね~。

橋本先生はこの本を監修されています↓ 私も持っています!




医療相談会に参加した感想

今回の講演会&医療相談会は、患者会の会員であれば、参加費無料(一般の方でも500円)なので、この講演会、相談会に参加できただけでも年会費3,600円を払った価値はあります!!

参加者数はざっと数えただけでも50人以上いらっしゃいましたが、参加者のなかではおそらく私は若いほうで、50代~70代くらいの方が多い印象でした。同じグループのなかには、80代という女性もいましたよ。

私のグループには、最初の1時間は東京女子医大の針谷先生が、次の1時間は順天堂大の梁先生が入られて、お話を伺うことができました。

内容は個別的な話になるので、ここでは詳しく書けませんが、たとえばこんな話がでました。

高安動脈炎でステロイド5mg程度服用中の女性からの質問に対しては、

  • CRPを正常値(0.3~1.0)にコントロールすること。
  • 定期的に検査(MRIなど)を受けて血管の状態を確認すること
  • 合併症(骨粗しょう症、コレステロール、血圧など)のコントロールが大切であること

などのアドバイスを針谷先生からいただきました。

針谷先生は、(高安動脈炎の場合で)「CRPが1.0を超えたら、まずは再燃を疑う」ともおっしゃっていました。ステロイドの減量に関しては、「0ミリや1ミリになる人は極めて稀だねぇ~」というコメントもありました。

グループ別にわかれての医療相談会では、先生方からのアドバイスはもとより、私より2まわり、3まわりも上の人生の先輩方の体験談(とくに骨粗しょう症の話など)を聞けて、いい意味で、この先の心構えができましたし、話を聞いているだけで、30代の若い私が、元気なさそうにしてちゃアカン!シャキッとせい!シャキッと!と自分で自分を鼓舞できたので、これまたいいエネルギーがチャージできたと思います。

話が前後しますが、上阪先生の講演会の内容は、おそらく後日、機関誌に掲載されるのではないかと思うので、詳細は控えますが、たとえばこんなお話がありました。

検査の目的というのは、

  • 膠原病の診断のため
  • 膠原病の活動性をうらなう指標の一つ
  • 治療による副作用を早期発見すること

である。

ちなみに、検査値表を外来で渡すワケは、「外来迅速検体検査加算」(最大500円)があるからだそうです。

そのほか個人的に興味があった点でいえば、免疫抑制剤のプログラフ(タクロリムス)は腎障害を起こすことがあるので、血液検査で「クレアチニン」が上昇していないかどうかチェックしたり、糖尿病にもなりやすいので、「ヘモグロビンA1C」などの数値をみて確認している、などのお話がありました。

それから、副作用の一つ「骨粗しょう症」の対応に関しては、閉経前の人と閉経後の人とでは対応が異なるそうで、

  • 閉経前の女性であれば、一度骨密度検査をやって正常だったら検査はそれきり
  • 閉経後の女性であれば、年に一度は検査をする

とおっしゃっていました(これは、あくまで上阪先生の場合です)。

一般的に、骨密度検査で70%未満の人は骨密度が少なく注意が必要なレッドゾーンなので、骨粗しょう症の治療が必要と言われています。

【骨密度検査を体験!】検査費用はいくらかかる?検査時間は?骨粗鬆症の治療法

この過去記事でも紹介しましたが、私も骨密度検査は一度やったきりで、その後どうなったか気になるので、おそらく主治医も忘れちゃっていると思うので、こんどの診察で、「先生、骨密度検査やりたいんですけど」とお願いすることにしようと思いました。

最後にひとこと

日ごろ、人と長時間話をしたり、聞いたりする機会がほとんどないので、2時間を過ぎたところで、私自身、動悸や頻脈の症状が出てしまって途中退席する場面もあったり、家に帰ってからはどっと疲れてしまいました。

それでもやはり専門医や同病の方々と交流できる機会は本当に貴重な機会だと思います。

体調が許せば、またぜひ参加したいと思います!