世の中には、社会に適応できず、対人コミュニケーションが極端に苦手という方々が大勢います。
私自身も、ある部分では対人能力に問題ありだと自覚していますが、人事担当者として私がまだ新人だった頃、ある面接で、こんなにも度を越した人がいるのか、という応募者と面接することがありました。
面接後、「スキル云々の前に、人物的にダメですね~」と上司である人事部長に所感を述べたところ、ダメ出しが入りました。
「カフェモカさん、ダメだよ。今日、面接した人について、印象、スキル面、思考力、発想力、マネジメント力……などなどそれぞれの項目について、すべて“良い面”を書き出してごらん。その人がどんな強みをもっているかの視点で考えるべきだよ」
合否の結果は、完全NG。その上司もそのように判断したけれども、その判断に至るプロセスに問題あることを指摘されました。
人間、誰しも「好き」・「嫌い」、「合う」・「合わない」のがあるのは当然ですが、人事担当者(面接官)として採用面接に参加する際には、それを極力排除するように心がけていました。
人事担当者は、経営が求める基準、現場が求める基準、最低限必要なスキル・経験、会社の現状、賃金条件などなどの側面から客観的にトータルに判断することが求められます。
人が判断することだから、どうしても主観が入って、理不尽な結果になることは多々あります。だからこそ、きちんとそれを説明できる客観的な材料、その判断に至る「理由づけ」「プロセス」が大切であることを上司から教えられました。
相手の「いいところを探す」「いい部分を引き出す」。基本的なことですが、これらはとても大切なことです。
難病や障害のある求職者に対しても同様に、「できないこと」ばかりに目を向けるのではなく、「できること」に着目し、適材適所で能力を発揮してもらい、社会に貢献していってもらいたいと思います。一人でも多くの理解者が増えることを願います。