難病や障害のある人が就活面接で成功するための3つの心得

難病や障がいをかかえながらも働きたいという意欲を持つ人は少なくないと思います。

難病や障がいの有無に関わらず、就職活動は簡単ではありません。

簡単な道ではないかもしれませんが、元企業の採用担当者として、今回は難病のある人が面接で成功するためのポイントを考えてみたいと思います。

難病のある人が面接で成功する3つのポイント

難病のある人が仕事探しをする場合、面接で成功するポイントは3つあると思います。

1.自分の病気や障害についてきちんと受容していること

面接官は必ずしも難病や障害について詳しい知識を持っているとは限りません。そのような面接官に対して、どのように自分のことを説明して理解してもらうかどうかはとても大切なことです。

とはいえ、自分の病気や障害について第三者に伝えるということは、簡単ではないですよね。いまだに私自身もうまく説明ができません。友だちに対してなら、「自分で自分を攻撃する病気(自己免疫疾患)。(血管炎症候群は)ほっとくと血管細くなって血が回らなくて死ぬ(笑)」などと、かなりザックリな説明をするのもありでしょうが、面接でそんなことを言ったら、引かれるのがオチです!!

相手が理解できるように説明できるようになるためには、まず自分自身が自分の病気や障害について受け入れ、自己理解したうえで、十分に就労が可能な状態であることも含めて、自分のことを明確に伝えていくことがポイントになってくるでしょう。

2.必要な配慮を具体的に説明できること

1の自己理解を踏まえて、自分の強み・弱みを客観的に分析して、会社に対して仕事をするうえで必要な欲しい配慮(合理的配慮)は自ら申し出る必要があります。また、その欲しい配慮が一般的に妥当なものなのかどうかの基準はあらかじめ持っておいたほうがいいかもしれません。

たとえば、疾患の特性上、

  • 「疲れやすい」⇒こまめに休憩を取れば問題がないこと。
  • 「免疫力が低下している」⇒マスクを常時使用しようして対処する。
  • 「寒暖差が苦手」⇒クーラーを避けられれば、オフィス内での作業は可能

などであれば、配慮してもらえるかもしれません。

なお、入社時に健康診断を義務づけている会社も多く、業務に支障があると判断された場合は不採用となるケースも珍しくありません。通院が必要な持病を持っている人は、面接など選考の段階で自分の健康上の問題を伝えておく、あるいは主治医からの意見書や病歴書などを作成して提出するなどしてもいいかもしれません。

3.「できること」や「得意なこと」をアピールできること

面接で病気のことについて説明をする際には、「これはできません。あれもできません」とできないことばかりを言うのは採用担当者にマイナスの印象を与えてしまうのでNGです。

「こういうことは苦手ですが、こういうことは得意です」「こんな資格を取りました」というように、「できること」や「得意なこと」を前面に押し出して、アピールするのがポイントです。

疾患があっても、能力のある人材であれば企業側も採用を検討するはずです。

「やりたいこと」と「できること」のギャップが大きい場合

また、元採用担当者としてアドバイスをさせていただくならば、自分の“やりたいこと”と“今できること”はしっかり考えた方がいいと思います。

やりたいことや、好きなことは趣味として続けられるかもしれません。しかし、仕事というものは、“今できること”が重要になってきます。夢と仕事はいったん切り離して考えると、就職の可能性はたちまち広がるはずです。自分の好きなことだけにこだわらず、選択肢を広げていくことも考えたほうがいいでしょう。

初めて就職活動を経験する学生の方々には難しいことかもしれませんが、皆さんの努力は必ず実を結ぶはずです。誰しもみな努力を続けていることを知り、あせらずに努力を続けていきましょう。常に努力する皆さんを応援しています。