最近(2015年以降)読んだ本の中から7冊ご紹介します。
1冊目は、こちら。
『役にたたない日々』(2006年刊行)
佐野洋子著
朝日新聞出版
絵本『100万回生きたねこ』でおなじみ、故・佐野洋子さん(享年72歳)のエッセイ集。この本の中で、著者(当時68歳)はがんで余命2年であることを告白。淡々と豪快に生きる老境の日々を綴る痛快エッセイ。
35歳のときに指定難病の高安動脈炎(大動脈炎症候群)と診断されて、医師から「いつ突然死してもおかしくない」と宣告されてから約7年。人生の先輩から余生の過ごし方のヒントでも得られればと手にした本です。
半径50メートルで生きている著者のすがたは自分と重なり、横になったまま韓流ドラマの見すぎでアゴが外れたエピソードなど、思わずぷぷっと笑ってしまう。
70歳近くで、自分で料理をする体力があって、友だちとあーでもないこーでもないとおしゃべりして、昔のことを覚えている記憶力があって、(結構話が飛んだりしているけど)原稿を書いて、こうして読者がいて、「“役に立たない”どころか、世の中に貢献しているじゃないか」等、ツッコミいれながら、親戚のオバアさんと会話しているような気分で楽しめた、と記憶しています。
同年代(40代)の健康な女性が読んでもおそらく退屈だと思うので、おすすめはしないよ。どちらかといえば、50代、60代、70代のシニア女性向けかな。