『田辺のつる』(高野文子著)を読んで、亡き祖母のことを思い出す。

高野文子さんの短編漫画集『絶対安全剃刀』

私が尊敬する先輩編集者が7日間ブックカバーチャレンジ(#bookcoverchallenge)でこの本を紹介されていたので、気になってさっそく買って読んでみました。

パラパラ~と見た第一印象は、ずいぶんと不気味なタッチの漫画をかく人だなぁ~、でした。

「田辺のつる」を読んだ感想

しかし、「田辺のつる」をじっくり読んで印象は一変。

詳しい内容や表現手法については触れませんが、この短編漫画を読んでいる最中、私は過去(思春期)に自分がおばあちゃんに対して冷たい態度をとってしまったことを走馬灯のように思い出し、ゾワッーと鳥肌が立ちました。そして、おばあちゃんに対して「申し訳ないことをしたな・・・」「もっと優しく接してあげればよかった」など後悔の念が思い出され、不覚にもじんわり涙が出てきました。

私が子どもの頃、実家で同居していた母方の祖母(80代)は若い頃から聴力障害があり、補聴器をしていました。補聴器が耳に合っていないと、ピーピーピーピー鳴り響くので、同居している家族は皆いつもその音にイライラしていました。

また、祖母は年相応に呆けていて(今でいう軽い認知症だったのかも)、何度も同じことを繰り返して言う、何度同じことを注意しても覚えられない、ガス台の火はつけっぱなし、たばこは吸いっぱなしで灰皿の上に置いてあることなど日常茶飯事。共働き家庭で、祖母が料理・洗濯を担当していましたが、台所=祖母の縄張り、のような状態で、他の家族はキッチンに入るべからず、孫にはいっさい手伝わせませんでした。性格はとても信念の強い人だったな。

ちなみに、祖父(母方)とも途中から同居しはじめましたが、私が高校生のとき、ある事件(部活のテニスシューズを誤って捨てられた事件)をきっかけに、祖父とはほぼ口を聞かなくなりました。

もうちょっと私に思いやりの心があれば、気持ちにゆとりがあれば、想像力があれば、祖父母に対してもっと優しく接することができたのかなぁ。。。二人とも10年以上前に亡くなってしまったので、今となってはかないません。

いま9歳の息子があと5年もしたら、私のことをうっとうしいと思ったり、口を聞いてくれなくなるのかなぁ……。そう考えると、ちょっとさみしい気もするけれど、自分も若い頃そうだったしなぁ。自業自得だな。

「田辺のつる」は認知症高齢者のいる一家の日常の一コマを描いた漫画ですが、うちの両親ももう70代になるのでね~、いつ介護が始まってもおかしくありません。

とはいっても、娘の私は難病患者で、むしろ介護される可能性のほうが高いから、両親も私のことはまったくアテにしておらず、自分たちで葬儀場の手配は済ませるなど終活はすすめていて、畑仕事などで体力の維持に努めてくれています。

お互いコロッといければいいですけれどね。

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