【続】夫、パニック障害になる「怖くて電車に乗れない」【うつ・不安】

夫、パニック障害になる

2017年7月某日朝

会社に行ったはずの夫からメールが届く。

「怖くて電車に乗れません。駅に30分くらいいます」

(20分後のメール)

「なんとか乗れた。疲れた」

返信してもメールが返ってこない。

大丈夫かな? 私も気を落ち着かせるために読書をして待つことにする。

14時頃になって、夫が家に帰ってきた。

「おかえり。大丈夫?」と声をかけると、「ダメだ」と返事が返ってきた。

顔の表情に生気が感じられない。そのまま寝室にこもってしまったので、しばらく、そっとしておくことにした。

部屋をのぞくと、夫はベッドのうえで本を読んでいた。

「これでも読んでみたら?」と「うつヌケ」や「うつの治し方」「小さいことでくよくよするな」などが入った私のKindle端末を夫に貸してあげた。

そして、夫に心療内科に行くようにすすめる。

近所の心療内科クリニックをいくつかピックアップして夫にリストを渡す。

最初に電話をかけた診療所は2ヶ月待ちとのこと。ほかの診療所をあたってみたところ、初診者枠のあるクリニックで、診察予約が4日後にとれた。

パニック発作のおもな症状

電車に乗ると、心臓がバクバクして、動悸や息切れを起こし、何度も途中下車を繰り返す。満員電車で隣の人とふれると「イーっ!」と気が狂いそうになる。

予兆

  • 本(読書)がつまらなくなる。
  • ファッションに興味がなくなる。
  • 最近、笑いが減っている

パニック障害の原因を考えてみる

仕事のストレスや家庭のストレス(家事・育児)に加えて、私が難病を患ってからは、夫にはさまざまな負担をかけてしまっているので、私が原因の一つなんだろうな、と思うとホント申し訳ない。最近(2021年)はコロナ自粛疲れも追加されているしな。

夫は人付き合いが苦手なタイプで、相談できる友だちもいないし、アナログ派の人間なのでスマホも持たずSNSもやっていないので、グチを吐き出す場所もなく、これといった趣味もないので週末は家に閉じこもってばかり。心臓疾患のある私はセックスのお相手もしてあげられないから、いっそのこと夫が外で気分転換してくれてたほうが、メンタル的によいのでは?と思ってしまう。

難病患者の家族の心のケアや話し相手の必要性を感じていた私は、以前から夫にカウンセリングを受けてみれば?とすすめていたけれど、本人にその気がなく、そのままにしておいたら、案の定というか、メンタルにきてしまったようです。

とりあえずの対処法

  • 通勤経路を変える(少しでも空いている電車に乗るため)
  • 各駅停車に乗る
  • ガムを噛んで不安を落ち着かせる
  • 会社を休む

心療内科を受診して~医師からのアドバイス

パニック発作が起きても、せいぜい3分くらいでおさまる。死ぬことはない。大丈夫、大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせて、脳に覚えさせる。

電車のなかでパニック発作が起きたときには、すぐに降りようとしないで、「次の駅まで」次の駅に着いたら「さらに次の駅まで」とがんばってみて、そうするうちに症状も落ち着いてきているはず。

右肩が上がっているのを指摘される。緊張状態をほぐすための簡単な体操も教えてもらう。

抗うつ剤(セルトラリン錠25mg)が2週間分処方される。

診察代(初診)3340円(3割)
薬代 660円

*その後、医療費助成(自立支援医療)を受けて、2021年現在は精神科通院のときは1割負担で済んでいます。

その後の夫の体調

お薬を飲みはじめてからは2~3年落ち着いていました。しかし、最近仕事が忙しくなり、コロナ自粛疲れもあってか、またメンタルはあまりよろしくないようです。

  • 掃除をしてくれなくなった
  • 休日なかなか起きてこなくなった
  • 休日料理をしてくれなくなった
  • 部屋にこもりがち

家族としてできること

私自身も20代の頃に、うつ症状を経験したことがあるので、ある程度知識はありますが、あらためて、うつ関連の本を読み直したりしています。

【おすすめ!うつ病脱出コミック】

単行本「うつヌケ」の書影。田中圭一氏のnoteページより。

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち(田中圭一著)[Amazonのサイトへ]

長いお付き合いになりそうですが、まずは正しい診断を得て、夫が自分の病気のことを受容し、適切な治療を受けて、症状が改善するように、パートナーとして支えていこうと思います。