体力がない、低気圧・気温の変化に弱い、感染症が命とり……な難病のある人にとって、フルタイムの仕事で通勤するというのはなかなかハードルが高いことだと思います。
しかし、フリーランス(*)で自分の裁量で働ける仕事であったり、一般企業での自宅利用型テレワーク(在宅勤務)やちょっとした配慮(合理的配慮)を得られる環境があれば、難病のある人でも十分力を発揮できる人も少なくないと思います。
目次
私はフリーランスという働き方を選択した
私は息子が幼稚園に入園し、またどこかの会社に再就職して働きはじめようかなー、と考えていた矢先、2013年11月に指定難病の一つ高安動脈炎と診断されました。
闘病生活も約7年経ちましたが、体力は落ちていく一方なので、通勤が必要なフルタイムの就労に就くことはこれから先ほぼ可能性はないだろうなと思っています。
とはいえ、在宅ワークであれば働くことができる、成果を出せる、企業や社会に貢献できる、と考えています。働くことが難しければ、ボランティアでもいいですし、なにかしら社会とつながっていたいと思いました。
退院してから仕事の感覚を取り戻していくまで
幸い、私の場合、長男の出産後、フリーランスのライターとして週に2~3回子どもを保育園に預けるなどしながら自宅で働いていたので、病気で1ヶ月入院したのちも、退院して半年後には自宅での仕事を再開していました。仕事内容は、週に一回、企業から請け負った数時間程度の校正作業とブログの更新作業などです。はじめはパソコン画面で作業をするのも光が眩しくて、長時間の作業は無理でした。ちょっとした作業でも、クライアント担当者とのビジネスメールや、作業報告、請求書の作成・発送などのやりとりが発生しますが、身体への負担もかかりすぎず、仕事の感覚を取り戻すにはちょうどいいボリュームのリハビリとなりました。
以下、在宅ワークが可能なフリーランスのメリットとデメリットについてまとめてみます。
在宅フリーランスのメリット
- 家で働ける。通勤がない
- 仕事を選べる。条件(納期やギャラ)が合わない仕事は断れる
- 時間帯や曜日など関係なくいつ働いてもよい
- 仕事を入れなければいつでも休める
- すべては完成物で評価される。障がいがあるなし関係ない
- 基本、ひとりで仕事をするので、上司や同僚など人間関係で悩まされることがない
- パジャマで仕事ができる
- 布団のなかでも仕事ができる
- 自分が好きなラジオや音楽を聴きながら仕事ができる
ひとことで言えば、自由だぁーーーーーーーーーー!!!
の一言に尽きます。
在宅フリーランスのデメリット
- 固定給がないので、収入が不安定(働かなければ収入はゼロ)
- 有給休暇や福利厚生制度はない
- 自分で営業から経理・総務などの庶務まで一人何役もこなさなければならない
- 契約や税金(確定申告)、保険などの知識が必要
- すべての失敗の責任は自分にある
- 正社員と比較して、認可保育園に入りにくい等
これらのデメリットが受け入れられるようなら、在宅フリーランスという働き方は、私のような難病のある者にとってはとても働きやすいワーキングスタイルだと思います。
テレワーク(在宅勤務)が最も理想的!?
昨今、さまざまな企業でテレワーク(在宅雇用)が急速に進んでいます。
理想的な働き方を言えば、会社組織に所属しながら、常時在宅勤務が主体となるテレワークができるのであれば、収入も安定して、かつある程度自由が担保されるのでよさげですよね。
私は年齢的にすでに40を超えていますし、フリーランスが性に合っているので、いまさらどこかの会社に所属してテレワークするということはもうないでしょうが、10代、20代の方々は、こういう働き方があるんだな、ということは知っておいて損はないと思います。
実績も何もないのに新卒学生でいきなりフリーランスというのはなかなか難しいかもしれませんが、最初は組織に所属して経験を積み、人脈を作っておいて、ゆくゆくは独立することを考えて会社選びをするのも一つの手かもしれません。
いま政府では「働き方改革」なるものが進められているようですが、残業規制や「在宅勤務」というワークスタイルがもっともっと社会に広がってほしいですね。
そうすれば、難病をかかえ体力のない人や障がいのある人なども就労の機会が増えていくことでしょう。
在宅勤務(テレワーク)関連のおすすめ書籍
在宅勤務(テレワーク)が企業にどんなメリットをもたらし、また、どのように企業の課題を解決し、より強い会社にしていくかを企業経営者にむけて説いている本です。著者の田澤由利さんは「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰」を受賞されるなど、テレワークの普及・推進に貢献されている有名なお方ですので、テレワークに興味がある人は読んでおくとよいでしょう。