20代の頃(かれこれ10年前)、一般企業(50人規模)の管理部門で採用担当をしていたことがあります。人事担当は私だけだったこともあり、その会社の新卒採用、中途採用のすべての窓口(応募者、採用メディア、人材紹介会社など)は基本的に私が担当していたことになります。
書類選考では何千通もの履歴書や職務経歴書をみたでしょうか。候補者との人事面接はもちろんのこと、部長・役員面接の同席、報酬決定の現場に至るまで見てきた。だから、採用する側の“経営者の視点”や“ホンネ”をある程度知っています。
だからこそ、難病患者(障害者手帳は持っていない)となった今、「自分が経営者だったら、自分のことを採用するか?」と考えると、残念ながら限りなくNoだな、と思ってしまいます。少なくとも、まったく同じ能力の人と並べられたら、健康な人をとるに決まっている。それでなくとも、すでに転職の壁、35歳を過ぎた子持ち。
とはいえ、可能性はゼロではない、ハズです。最近では、2016年4月に障害者差別解消法が施行され、国や企業の取組みや意識も少しずつ変わってきており、合理的配慮も以前に比べたら得やすくなりつつあります。
障害者雇用を積極的に行っていそうな会社(法廷雇用率を気にしている会社など)とのマッチングがうまくいきさえすれば、可能性はあるかもしれません。自分を雇うことのメリットをいかに企業側にアピールするかがポイントになってくるでしょう。
「何ができるのか?」をアピールする
あれもできない、これもできない、こんな配慮がほしいばかりでは企業も採用したいとは思わないでしょう。「私はこれができます!」「この経験を活かして御社に貢献できます」など、「できること」を積極的にアピールしたいものです。参考になるサイトとして、厚生労働省の難病患者の就労支援に関するページは必読です。
◆関連サイト:厚生労働省:難病患者の就労支援
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/06e.html
難治性疾患患者雇用開発助成金の存在
アピール材料のひとつとして、企業側が助成金制度を活用できるというのは、少しは考慮してもらえるかも?
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金とは
発達障害者や難治性疾患患者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。事業主に雇い入れた方に対する配慮事項等についてご報告いただきます。また、雇入れから約6か月後にハローワーク職員等が職場訪問を行います。
でもまだまだ企業の活用率や認知度も低いと思います。国やハローワークさん、啓蒙活動がんばって!就業中の人であれば、すぐに退職など考える前に、難病患者サポーターさんなどに相談して、継続雇用してもらえる道や、リワーク(復職)プログラムの活用など模索していきましょう。会社の理解を得られるのであれば、辞めないにこしたことはありませんから。
難治性疾患患者雇用開発助成金
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/hattatsu_nanchi.html
資格は有利になるか?
次に「資格」。書類上、専門職以外の資格は参考程度にしかみられないものだけれど、プラスアルファの専門性を身につけるために資格を取得するのはいいかもしれません。事務職(デスクワーク)であれば、Excelと英語力(TOEICなど)が武器になると一般的には言われていますね。
ハローワーク以外の就職支援者を見つける
相談先は、ハローワークだけではなく、障害者雇用に強そうな民間の人材紹介会社やコンサルティングを活用すると、企業の内情に詳しいコンサルティング担当者についてもらえれば、最適なマッチングを行ってもらえるかもしれません。
たとえば、このブログにも寄稿していただいたキャリアコンサルタントの石井京子さんのように、発達障害や難病のある人の就活相談にのってくれる人もいます。
[特別寄稿]「難病のある人が長く働くために」石井京子氏(日本雇用環境整備機構理事長)
https://tamastyle.com/job/kikou_ishii/
病気とお付き合いしながらの就職活動は、時間もかかるでしょうし、理解のある会社などを見つけるのもそうたやすいことではないかもしれませんが、根気強く探していきましょう。