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2016年春、わが家は東京都内に新築一戸建てを購入しました。
物件・土地選びにおいては「理想」と「現実」でいろいろ悩むことになりましたが、“おウチ購入プロジェクト”は無事に完遂でき、新生活をスタートさせています。
今後このブログでは購入に至るまでの悩み事や物件巡りで苦労したこと、不動産屋の営業マンとのやりとりや出来事など、随時ご紹介していきたいと思います。
難病患者ならではの物件探しの希望条件
家探しは、まずは自分たちの希望条件を固めることからはじまりました。
私の場合、持病に希少難病の高安動脈炎(大動脈炎症候群、狭心症を合併)があるので、膠原病内科と心臓内科のある「大学病院に通院できるエリアであること」が第一のマスト条件と考えました。
マンションの場合は、非常時に自力で階段を昇降できるように「低層階」であることも大事なポイントにしました。
一戸建ての場合は、心臓に負担がかからないように、“寒い”家は避けたい(床暖房やヒートショック防止設備を希望)と思いました。
将来、車椅子や杖を使うようになるかもしれないことを考えると、エントランスや室内に段差がない、トイレや浴室のスペースが広い、廊下などに十分な幅があるなど、できるだけ「バリアフリーな物件」(あるいはリフォームしやすそうな物件)であるほうがベターとも考えました。
そのほか、いますでに自転車に乗ることもドクターストップがかかっているので、
- 「最寄り駅まで徒歩15分以内」(私の足で実質20~25分)
- 「坂道が少ない街・地域」
- 「歩いてスーパーに買い物に行ける」
- 「歩いて大きな公園(癒やしのスポット)に行ける」
- 「歩いて図書館に行ける」
などを条件として予算からエリアを絞っていきました。
家を購入する前にホンキで考えた「週末婚」というスタイル
ちょっと話はそれますが、家を買う前に考えたことがあります。
難病持ちの私が、住宅ローンを組んでまで、一戸建てを買う必要があるのかどうか? 一生、賃貸マンション暮らしでいいのではないか? さらに考えれば、難病を理由に子どもを連れて私は実家に帰るのもありでは?と。そのほうが、家事や育児の負担も減り、夫は全国に転勤の可能性もあるので、通院事情から夫の転勤先について行かないであろうことを考えれば、現実的な選択肢の一つと思いました。
将来かかってくるであろうさらなる医療費や子どもの教育費、老後のお金(おもに夫の)を貯めるのであれば、「週末婚」(別居婚)というスタイルもアリではないか?と。
週末婚とは
週末婚とは何らかの事情で週末(休日)のみ会ったり、週末のみ生活をともにする夫婦のことである。週末婚は当初、子供をもった人が再婚する際、子供が新しい親に成れるために行われたものを指した。後に単身赴任などの理由で週末しか会えない夫婦のことも週末婚と呼ぶようになる。1999年には内館牧子脚本、永作博美・松下由樹出演のドラマ『週末婚』で広く認知される言葉となる。流行語的に週末婚が普及してからは、平日は一人の生活を楽しみ、週末だけ夫婦生活を楽しむといった、特に事情なく週末婚という形態を望む若者も増えている。(「日本語俗語辞書」のサイトより引用)
ひと昔前、内館牧子脚本の『週末婚』というドラマが流行ってから、この言葉の知名度が一気にあがったようですね。
夫婦ともに仕事が忙しく、独身生活のときのように平日はそれぞれの家で生活をしたり、遠方に自宅をかまえ、一方が仕事の関係で都心にセカンドハウスを構える……といった具合。
そういうスタイルで、夫婦の関係も良好なのであれば、難病をかかえる私と子ども(当時4歳)は実家に住んで、夫は会社の近くにひとり暮らしをしてもらって、週末だけときどき会うというのもアリかな、とホンキで考えました。
わが家が週末婚にした場合のメリット
- 実家暮らしだと、じぃちゃん、ばぁちゃん(実父母)のサポートが短期的にはいろいろと得られる(しかし親ももう60代半ば。いつ介護の問題に直面してもおかしくはない)。
- ひとり暮らしであれば、夫もマスオさん状態にならずに気がラクか。
デメリット
- なんといっても子どもへの心理的影響が心配。
- 親子はやはり一緒にいたほうがベター。
- 夫の健康面が心配
夫の意見
結局、この「週末婚」プランは夫から即却下されました。
まぁ、理解されない。いつまでも親離れできていない、と呆れられる始末。
長男である夫の立場からすれば、
- 将来、親と一緒に暮らすための部屋くらいは用意しておきたい
- 先祖の供養・仏壇をおく部屋を確保したい
- 一戸建てがいい(私はマンション派)
など、妻である私がまったく考えていないような事柄について強い責任感とこだわりを持っていました。
これはなかなか夫を説得するのは手強そうだと、話も平行線をたどるばかりなので、いったん家のことについて夫と話すことはやめました。
ひとりでリサーチ&作戦会議の日々
その間、自分なりに希望エリアの絞り込みや、マンションと一戸建ての相場感をつかんだり、資金計画を立てたり、毎日地図とにらめっこして周辺環境などを調べたりするなど、夫のいない平日は自宅にいながら一人だけでできることを進めていきました。
ある程度、自分の住まいの理想・優先順位のイメージが湧いてきたところで、その後、夫に相談するための資料をExcelで用意して、具体的に「こんな条件で考えているけどどう?」「こんな物件あるけどどう?」と意見を聞きながら、夫の希望イメージをヒアリングして、自分の希望も織り交ぜながら再びリサーチして、というのを何度も何度も繰り返して、夫婦としての希望条件・優先順位を決めていきました。
週末は毎週不動産屋&物件めぐりの日々
マイホーム購入の最大の難関は、まさかの・・・。
バリアフリー住宅を希望なら建築条件付土地を買うのが手っ取り早い!?
物件めぐりを重ねていくなかで、最終的には次のようなことを絶対条件として決めました。
- 平坦な土地であること
- 駅から徒歩圏内であること、あるいはバスなどの交通の便がいいこと
- 家相がいいこと(玄関、トイレの位置)
- 吉方位であること
- 2階LDK物件ではないこと
予算以外にも、決して譲れないこだわり条件が重なってきたので、なかなか建売りの物件で条件に合うものはなかなか見つかりませんでした。こうなっては、「土地」を見つけて、自分たちで家を建てちゃったほう(注文住宅)が早いのではないか、という感じにもなってきました。
そこで、はじめは建売り(新築・中古)のみを探していましたが、同時並行で土地探しも始めることとし、建築条件付きの土地などについても不動産屋さんにいくつか紹介してもらい、実際に足を運んでみたりもしました。
結局、予算内で土地を探そうと思うと、土地が狭かったり、幹線道路に近かったりなど、条件に合ういい土地もなかなか見つからず。でも、いい土地とのご縁はなかったですけど、いろいろ勉強になりました。たとえば、建築条件付き土地に関して学んだこととして、次のようなことが挙げられます。
建築条件付き土地の場合の注意点
大手ハウスメーカーの建築条件付き分譲地を購入する際に知っておきたい留意点として、建物の請負契約が確定しているため、わざと土地価格を安く表記して、その分の価格が建物に上乗せられている場合があるようですよ。例えば、3000万円の土地にもかかわらず、2700万円の土地として販売して、その代わりに300万円を建物価格に上乗せる販売方法があるなど。
ちなみに、家を購入する時期や引越しの時期は、家族の意向により、細木和子さんの占い本を参考に決めました。この本に書いてあるアンラッキーデーが私と夫とも高確率で当たるので、それ以降、毎年この本を購入して、カレンダーに記入して予定を立てるときの参考にしたり、健康に注意などの月運勢などのアドバイスも参考にしています。
実際に戸建てを購入して1年間住んだ感想
結局、いろいろ紆余曲折ありましたが、ご縁あって、東京都内にある新築一戸建てを購入するにいたりました。物件めぐりを開始してから、2~3ヶ月経ったときのことです。
一応、不動産情報サイトで検索すると、「バリアフリー物件」に該当する物件ですが、探す側からすると、この程度で「バリアフリー」と言えるのか?というのが率直な感想です。
●建売住宅(新築戸建)のわが家のバリアフリー状況
・玄関⇒手すりがある
・廊下⇒手すりがある
・トイレ⇒手すりがある
・浴室⇒手すりがある、段差がない、滑りにくい床材が使われている、ヒートショック防止設備
●バリアフリー関連であきらめたこと
・車いすユーザーになっても使えそうな広いスペースのトイレは叶いませんでした。
・玄関(エントランス)の段差を解消するようなスロープも設置されていません。
・室内のドアが開き戸になっていて、引き戸ではない。
これらなどは、将来、また必要になったときに、考えることにします。そのほか、実際に住んでみた感想は下記の記事としてアップしています。
最後にマイホームを購入するまでの流れまとめ&アドバイス
人はいつなんどき死ぬかわかりません。限りある人生のなかで、「誰と」「どこで」「どのように」暮らしていきたいのか、家選びにおいても、まずはご自分の優先順位をハッキリさせることから始まると思います。
- 本当にいまマイホームを買う必要があるのかどうか?
- 欲しい物件は、マンションなのか一戸建てなのか?
- 資金計画を入念に(今後の家族構成、子どもがいる人は教育資金も含めて)
などをしっかり考えた上で、
- 具体的な物件収集(インターネット、新聞広告、住宅情報誌など)
- 資料請求(この時点では、住所や電話番号は教えない)
- 売り出されている物件と照らし合わせて、さらに希望条件の優先順位を決める
- 不動産業者とコンタクトをとる
- 物件の下見や概要をチェック
- 気になる物件の見学を依頼する
- 内覧した物件の比較検討
といった流れて、物件の候補を絞っていくことになります。
最終的に選んだ家に関しては、はじめは100%満足とはいかなくても、70%の満足度くらいからスタートさせて、あとは自分好みのエッセンスを取り入れていけば、自分たちに快適にフィットする住環境はどこにでも作っていけるのではないでしょうか。
これから家(土地)探しをされる皆さんに、どうぞいいご縁がありますように!