高安動脈炎(膠原病)は、希少難病ではありますが、比較的20~30代の女性の発症割合が多いと言われています。この年代の方々にとってのライフイベント「結婚」「妊娠・出産」に対する不安や悩みは本当に切実なものですよね。
出産までのプロセスは多種多様ですし、私自身は出産後に高安動脈炎と診断されているので、参考になるかどうかわかりませんが、今回は私の妊娠・出産(2010年)に関する体験記をお届けします。
目次
出産までのプロセス
●妊娠11週目
通常つわりのピークは8週~9週ぐらいらしいですが、私の場合、先週11週目がピークな印象で、12週目も込みあげてくるものが…。食欲がないときは、フルーツとゼリーがお友達でした。
●妊娠16週目
血圧が高めになる傾向があるので、しばらく要観察、安静にしてました。
●妊娠17週目
体重+2.5kg。ヤバ。安産祈願@水天宮へ。
●妊娠18週目
はじめての胎動。おなかの内側が頻繁にこそばゆい感じがする。まるで炭酸飲料がおなかのなかでプチプチっとはじけているような感覚。
●妊娠19週目
助産師さんからは7kgまでにおさえてといわれているの体重すでにプラス4kg
●妊娠20週目
ママの体重+4キロ。
ベビちゃんの体長(座高)13cm、推定体重300g。平均的。
●妊娠26週目
検診で、性別ほぼ判りました。
母の体重は、すでに+6キロ。7キロ以内に抑えろって、もう無理です。自分に甘い私は、目標10キロまでとします。
●妊娠26週目
7か月目から、妊婦健診は2週に1回のペース。家から病院まで徒歩15分とはいえ、暑い中、大きなおなかで通うのもラクじゃない。この頃の妊婦検診では、炭酸ジュースみたいなものを飲まされ1時間後に採血、貧血検査と妊娠性糖尿病の検査が行われた。すぐに結果の出た貧血検査は、とりあえずクリア。ヘモグロビンの値は正常値だったので、鉄分は、足りているようす。妊娠してから、やたらと甘いものを食べるようになり、この時期は2週間で1キロの体重増とハイペースで体重が増えていった。
●妊娠34週目
エコー検査での先生の第一声。「大きいですねー」。そんな、ベビちゃんの推定体重は、2,500g(2週間前比+400g)。1~2週間ほど大きめで、このままいけば産まれるころには3,500g以上になる成長ぶり。そのほか、内診検査では、「胎盤もしっかりしていて、子宮口もちゃんと閉じているので、問題ありません」とのこと。急激に体重が増えていたので、“ごはんの代わりに豆腐”ダイエットでの体重管理をはじめ、この1ヶ月間は、ほとんど体重変動なく、なんとか体重+7.5kgでとどめられた。
●妊娠35週目
妊娠後期になると、あまり食が進まない人が多いと聞くけれど、私は逆。日増しに食欲が増大していく。Mサイズ(2~3人前)のピザ半分とフライドポテトに、サラダ、プラス、デザートにアイスを食べても物足りないくらい。
●妊娠36週目
貧血検査は、特に問題なし。しかし、この2週間で体重が2キロ増。2週間前といえば、ちょうど産休に入ったタイミング。会社に行かなくなったら、あっという間に太ってしまった。足の浮腫み(まるでゾウのような足!)もひどい。肝心のベビちゃんは、推定体重2850gまでに成長。元気に手足を動かして、先生からは、「大きいチン○ンですね」と言われる。夫に報告すると、「お父さんに似たのだよ。がはは(笑)」ですって!
●妊娠38週目
定期検診(NSTテストと内診)。ベビちゃんは、推定体重3,050gまで成長。大きすぎず、小さすぎず、ってところ。子宮口はまだ閉じているので、産まれる気配はまだなし。数日、生理痛のような下腹部の鈍痛があったり、足の付け根が痛くなったりしていたのは、赤ちゃんが少しずつ下りてきている証拠みたい。とりあえず、まだ産まれそうもないと聞いて、元気モリモリ、通院のあとはラーメン屋へ直行!ムショウに甘いものが食べたくて、しばしば葛藤していたこの頃。
●予定日まであと10日
まだ、産まれてくる気配はない。でも、なんとなーく、立ち仕事をしたり歩いていると、下腹部が痛くなったりするので、だんだん外出するのがおっくうに。かといって、家に引きこもっていると、食べてるか、寝てるか、の生活になっちゃうので、そこをなんとか自分にムチうって、1日1回は外出(歩く)するように心がける。「○○まで行って、牛乳ソフトクリームを食べにいこう!」とアメ(ごほうび)をちゃっかり与えながら、往復1時間強のウォーキングをこなす。
●妊娠39週目
夜中2時~明け方5時ぐらいまで、断続的に子宮収縮がおきたので(痛みはたいしたことない)、「おぉ!ついに、くるかーっ!?」と思ったら、いつの間にか寝入ってしまって、朝、目覚めたころには、その収縮もおさまってました。これがいわゆる、「前駆陣痛」ってヤツだったのかな? 一瞬、骨盤かなにかの骨が、“ミシミシっ”って音を立てたときには、「えぇぇっ?」とビックリ!!したけど、ベビちゃんは、確実にちょっとずつおりてきているようす。この時点ではおしるしも、破水もない。ホントの陣痛、そして“Xデー”を迎えるのは、いつになるか!?
◆39w1dの定期検査
- NST検査(胎児心拍数と子宮収縮のモニタリング):特に異常なし。
- 超音波検査:推定体重3100g(前回比横ばい)
- 内診:子宮口1~1.5cm程度。
- 費用(自己負担分):5,000円
●妊娠39週5日目~いよいよ出産!
夜中に破水して、タクシーで産婦人科クリニックに向かい、医師からは「子宮口の開き具合からすると、これなら午前中には産まれるでしょう」と言われていたのに、結局、陣痛が始まってから、産まれるまで14時間かかった。
いきんでも、いきんでも出てこない。そのうち、疲れきってしまって、いきめなくなってしまった。そのうち陣痛も弱まってきてしまって、最終的に「吸引分娩」となる。
分娩中は別世界へトリップしていたような感覚だった。通常よりへその緒がかなり長くて、それが胎児の首に巻きついていたのが原因で、なかなか出てこなかったのかもと言われた。危なかったぁー。でも。無事に生まれてきてくれてありがとう。
母子ともに健康で、予定どおり5日間で退院。
まとめ
このように、第一子の妊娠・出産のとき(2010年)は、たいした問題もなく妊婦生活を送っていたワタクシですが、その後、2012年頃から微熱が2ヶ月以上続くなどの不調が続き、2013年に高安動脈炎と診断され、2016年の時点の膠原病内科の担当医からは、「この出産のときにすでに高安動脈炎を発症していた可能性も否定できませんよ」「第一子を問題なく出産できたことはラッキーでしたが、第二子がそうなるとは限りません」と言われました。
一方、心臓外科医からは「出産という大仕事を乗り切ったんだから、まだそのときは発症していなかったんだと思いますよ」と言われました。
いちばん初めに担当してもらった主治医は、産後2~3年経った頃の「微熱が続き、耳鳴りがし始めた時期があやしいとにらんでいます」と言っていました。
・・・実際のところ、どうなんでしょうね。いまとなっては誰にもわかりません。
出産までのプロセスは多種多様ですし、私自身は出産後に高安動脈炎になったと思っていますが、これから妊娠・出産を計画される方などにちょっとした参考になれば幸いです。
★高安動脈炎を抱えながら妊娠・出産された20代女性に話を聞いた記事はこちら↓