4歳(当時)の息子と幼稚園に向かう途中、私たちの前をあるご婦人が歩いていました。
息子がその女性の姿をみるなり、
「あの人、ヘンだよ」
よくみると、その女性は杖をついて歩いており、おそらく、変形性股関節症かと思われる、脚長差からか身体を大きく上下に揺らして歩いていました。
子どもはストレートにものをいうなー、と思いつつ、
私が「ヘンじゃないよ」というと、息子はますますムキになって、
「ヘンだよ!」「ヘンだよ!」
と言い始めました。
どういったらわかるかな?とちょっと考えた末、
「世の中にはいろいろな人がいるんだよ」
「世の中ってなに?」
「えーっと、○○くんが、いきている世界」
「おかあさんは、胸が苦しくなったりする病気があるでしょ。○○くんは、アトピーでからだがかゆくなったりするでしょ。あの人は、足が悪いのかもしれない。だから転ばないように杖をついて歩いているんだよ。」
「病気のあるおかあさんは、ヘン?」「ヘンじゃないでしょ?」「じゃあ、あの人もヘンじゃないよね。」
「幼稚園にもいろいろなお友だちがいると思うけど、みんなと仲良くするんだよ」
……といった会話をしながら、幼稚園まで登園しました。
息子には、見える障がい、見えない障がいがあるということはもちろん、障がいのあるなしにかかわらず、個性や多様性を尊重できる人間に育ってほしいと願っています。
そして、それを教えるのが親としての務めだな、と改めて思った一件となりました。
限られた人生のなかで、親として子どもに伝えるべきこと、しっかり伝えていこうと思います。