瀬戸内寂聴さんの闘病記『老いも病も受け入れよう』
『老いも病も受け入れよう』(新潮社)
瀬戸内寂聴さん(94歳)の最新本が出ていたので読みました。闘病エッセイですが、重たい印象はまったく受けません。数時間でさらりと読めました。
元気と長寿の秘訣として、35のアドバイスをくださっています。その多くは、私が普段、闘病生活を送るなかで感じていることや心がけていることだったので共感できることばかりでした。寂聴さんのお人柄があらわれるクスッと笑えるエピソードもあり、失礼ながらお茶目なおばぁちゃんだなぁ~、と思ったり、お坊さんならではの教えもしっかり胸に刻もうと思いました。将来、どこかのタイミングで老いた自分の両親にもこの本を渡してあげたいと思えるような1冊でした。
『死ぬってどういうことですか? 今を生きるための9の対論』
『死ぬってどういうことですか? 今を生きるための9の対論』(角川フォレスタ)
こちらは瀬戸内寂聴さんとホリエモンこと堀江貴文氏との対談本。
私が20代の頃にITベンチャー企業のセミナーで堀江さんが講師として登壇されていて同氏のお話しを伺ったことがありますが、そのときに抱いた印象のまま、相変わらずエッジが効いているいるなぁ~、ホリエモン健在!と思いながら読み進めました。
私の場合、35歳で難病(高安動脈炎)を患い、「死」と「生」を強く意識したときに、限られた時間をどのように生きていくかということを病院のベッドのうえなどで考えていましたが、ホリエモンが本書のなかでバッサリと切っていく数々の主張もなんとなくわからんでもない、理解できる部分もあれば、やはり、冷たいヤツだな、と思う面もあり。
一方、瀬戸内寂聴さんの著書を読むのはこの本が初めてでしたが、お坊さんの寂聴さんですらこう思うんだから、肩の力を抜いて生きていこう、と思えるようなお話しが対談のなかには散りばめられていました。
ステロイド治療が始まって、体調が安定するまでの半年ぐらいは「死」をいつも恐れていたような気がしますが、最近は、「人はいつかは死ぬんだし……」といい意味で割り切れるようになってきたような気もします。
最後にちょっとネタバレになりますが、寂聴さんが若いうちにやっておけばよかったこととして、やせ細るわが身をみて「ヌード写真を撮っておけばよかった」と闘病記で語っていらっしゃいます。私も後悔しないようにいまのうちに撮っておいたほうがいいかしら?(笑)
◆関連リンク
瀬戸内寂聴さんが開いている寺院「曼陀羅山 寂庵」のサイト
http://www.jakuan.jp/
瀬戸内寂聴さんの近況が綴られています。